伝説の記者 コマサンの「今日も野球日和」

プロ野球記者歴50年。伝説の記者・コマさんのコラム

プロフィル こまざわ・さとる
1942年、広島県生まれ。報知新聞入社後、半世紀にわたり野球記者一筋。主な著書に「昼も夜もカープ」(ベースボールマガジン社)、「赤ヘル軍団」「古葉竹識我慢の野球」(ともに講談社)、監修本に「耐えて勝つ」(古葉竹識)、「広島カープ 苦難を乗り越えた男たちの軌跡」「大野豊の全力投球(ともに宝島社)がある。現在、報知新聞社ボーイズリーグ担当、スポーツライター。

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2017年

■ 2017年8月24日号

カープ支える若手投手クインテット 「2桁投手」5人なら球団初

岡田、薮田、野村、大瀬良、九里

 広島の2年連続リーグ優勝へのマジックが、勝ち星と同時に減ってきた。順調にいけば9月中旬には決まりそうだ。

 1975年(昭和50年)から84年までの10年間、広島は古葉竹識元監督の指揮下に第一期黄金時代を築き(リーグ優勝4回、日本一3回)、その後、2度の優勝を果たしてから、長い低迷期が続き、昨年25年ぶりのリーグ制覇を果たした。今季も他の5球団に大きく水をあけて開幕から首位独走。第二期黄金時代を迎えたといっても過言ではないだろう。

 12球団一の強力打線のバックアップを背景に、台頭著しい投手陣。平均年齢26歳未満の若手投手陣はすでに薮田、岡田が共に11勝をマーク。入団3年目の薮田は、8月12日の対巨人戦でプロ入り初完封(4安打)を飾り、11勝目を挙げた。「球界でもナンバーワンの菅野さんに投げ勝ったのは、自分としてもうれしかった。今季はローテーションを守って先発のマウンドに立っていることも自信になっている」と薮田。安定感抜群の投球で首脳陣の信頼も厚い。2年目の岡田も翌13日の同カード20回戦で6回1失点の好投で11勝目。「自分のテンポでリズム良く投げられた。夏場になっても少し不安を感じていた球威が落ちず、変化球のキレも悪くない」と岡田。今季はドラフト1位入団の素質を証明≠キる投球を見せる。2人は巨人菅野と争う、有力な最多勝候補だ。実績のある野村、大瀬良も近々10勝ラインに到達するだろう。可能性を秘めた九里も含めて、球団史上初の「2桁勝利」5人の誕生も夢ではない。「2桁が全てじゃないし、あくまでもチームの優勝のためにやっている。そこに貢献できればいい」と昨年の最多勝投手の野村(16勝)は、エースの風格さえ備わってきた。

 開幕前、黒田の退団によって、投手陣のテーマは「ポスト黒田」が大きな課題となっていた。振り返れば、2月の日南キャンプのブルペンは若いエネルギー≠ナ活気に満ちあふれていた。岡田、薮田、大瀬良、九里らは年齢的にも変わらず、ライバル意識をむき出しに火花を散らしていた。緒方監督も「お前たちがやらなければ、元のチームに逆戻りしてしまうぞ」と危機感をあおり、個々のレベルアップを促した。その成果は結果となって表れ、個々に勝ち星を重ねてきた。4投手が2桁到達なら、球団では2013年以来(前田健15勝、野村12勝、バリントン11勝、大竹10勝)4年ぶり。5人となれば球団史上初の快挙となる。

 昨年の沢村賞投手ジョンソンの存在を忘れさせるほどの「投手王国」は、強力打線のバックアップもあって若手投手の競争心が上手く作用し、昨年果たせなかった日本一へ勢いづくはずだ。



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