伝説の記者 コマサンの「今日も野球日和」

プロ野球記者歴50年。伝説の記者・コマさんのコラム

プロフィル こまざわ・さとる
1942年、広島県生まれ。報知新聞入社後、半世紀にわたり野球記者一筋。主な著書に「昼も夜もカープ」(ベースボールマガジン社)、「赤ヘル軍団」「古葉竹識我慢の野球」(ともに講談社)、監修本に「耐えて勝つ」(古葉竹識)、「広島カープ 苦難を乗り越えた男たちの軌跡」「大野豊の全力投球(ともに宝島社)がある。現在、関西記者クラブ会員、プロ野球殿堂入り投票者、スポーツライター。

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■ 2017年9月28日号

広島 圧倒的な力でセ連覇 33年ぶり日本一へ

「黒田の教え」若手に浸透

 分厚い戦力で他球団圧倒

 今季も広島は強かった。リーグ優勝の連覇は古葉監督時代の1979年、80年以来だ。今後はクライマックスを経て、昨年果たせなかった33年ぶりの日本一を目指す。

 「シーズン前に予想した通りの強さだった。今の広島野球に追随するチームはいない。この強さは当分続くと思います」と断言するのは評論家の広岡達朗氏。

 ゲーム後半になって逆転すると、本拠地広島では抜群の勝率を誇る。ドラマチックなゲーム内容に、ファンは大いに喜び満足して家路へ。昨年に続く200万人超の観客動員数。「満員のお客さんの応援が、チーム全体の力になり、個々の力以上のものを引き出していると思う」。ベテランの新井は熱狂的なファンの声援が選手のプラスアルファの力を引き出したと振り返る。

 若い投手陣が多く、開幕前は黒田の抜けた穴を心配する声があった。しかし「黒田の残した遺産」は浸透していた。初の2桁台をマークした薮田もその一人。「初球からコースの隅 を狙わずワンストライクは大胆に。追い込んでからは内外角へのコースへ投げ込め」とノートに書いた黒田の教え≠実行。岡田、大瀬良、野村、九里ら投手陣のほとんどが「各チームのデータを調べている黒田さんの姿に勉強させられた」と、相手打者のデータをパソコンに入力。意識を高く持ってマウンドに上がる。長年スコアラーを務めた畝ピッチングコーチの存在も大きい。「予習、復習は大事」。高まる競争意識が若手投手の台頭を生んだ。

 打線は田中、菊池、丸と1番から3番まで、シーズンを通して盤石。広岡氏は「9連覇した巨人の柴田、土井、高田をほうふつとさせる。よく練習もし、知識も豊富」と12球団一と認める。

 緒方監督が新4番≠ノ抜てきした鈴木誠也は故障するまで目覚ましい活躍ぶりだった。戦列離脱後は新井、松山、エルドレッドら「相手投手によって使っていく」(緒方監督)方針が 好結果につながった。新井は「40歳となり体力的には少し不安を感じるときもあるが、その分、技術が上がってカバーしている」とコースに逆らわない打撃力を身に付け、左右へ打ち分けた。相手投手のカウントごとの球種の傾向もどん欲に吸収し、さらに進化した自分に気付いた、という。苦労人の松山は「使われたときは自分の全てを出し切るようにしている」と集中力を強調。4番を打つそれぞれが、遜色ない働きをして後半戦のチームの勝利に貢献した。

 何番に置かれても、しぶとい打撃を見せる安部の存在も光った。常に3割以上をマークし打率部門の上位にランク。「2ストライクと追い込まれても、きわどい球にはファウルで食らいつき、相手の失投を待ちます」と10年目の安部は確固たるものを作り上げた。逆転打、サヨナラ打の劇的なシーンでは、ファームで苦労した岩本、西川のここ一番での仕事ぶりが際立った。

 誰が起用されても力を発揮したのが今季の広島だった。ペナントレース終了後、待ち受けるCS、日本シリーズ。最後には昨年の屈辱を晴らしてもらいたい。


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