伝説の記者 コマサンの「今日も野球日和」

プロ野球記者歴50年。伝説の記者・コマさんのコラム

プロフィル こまざわ・さとる
1942年、広島県生まれ。報知新聞入社後、半世紀にわたり野球記者一筋。主な著書に「昼も夜もカープ」(ベースボールマガジン社)、「赤ヘル軍団」「古葉竹識我慢の野球」(ともに講談社)、監修本に「耐えて勝つ」(古葉竹識)、「広島カープ 苦難を乗り越えた男たちの軌跡」「大野豊の全力投球(ともに宝島社)がある。現在、関西記者クラブ会員、プロ野球殿堂入り投票者、スポーツライター。

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■ 2017年11月2日号

クライマックスシリーズ敗戦

広岡達朗氏に聞く

 広島の日本シリーズ進出はならなかった。CS戦、レギュラーシーズン14・5ゲームの大差をつけた3位のDeNAに敗れ去った(2勝4敗)。昨年37年ぶりのリーグ優勝から2連覇を果たした。最大の目標は33年ぶりの日本一≠セった。またしても夢は消えた。今回は1968(昭和43)年から2年間、広島の内野陣の再編のコーチとして在籍、後にヤクルト、西武の監督としていずれの球団も日本一に導いた球界の理論派、広岡達朗氏に広島の敗因を語ってもらった。

※    ※

 私は広島で2年間、松田耕平オーナー(故人)より「チームを強くしてほしい」と要請を受けお世話になった。兄貴(広岡富夫)も選手として1952年からプレー。限られた予算で選手を育てるという他球団にない運営方針も好きで、陰ながら広島を応援していた。しかしあの負けっぷりには、何や、とガッカリさせられた。敗因の一つを挙げるならば、シーズン中に退団を発表した石井琢朗(打撃コーチ)と河田雄祐(外野守備・走塁コーチ)の2人だ。一致結束したチーム力に水を差した。CS終了後に発表するのが当然のこと。

 二つ目を挙げるならば、広島はレギュラーシーズン終了時からCSまで時間があり、実戦練習ができなかったことだ。社会人チーム相手の試合なんて当てにできない。ならば一定期間でもいいから全員が合宿し、練習や作戦ミーティングをやるのもひとつの手だ。私がヤクルト、西武の監督時代は日本シリーズを控えて合宿をし、練習をして、選手の意見を聞き、こちらの戦略も細かく説明した。

 DeNAにはシーズン中唯一負け越したチーム(14勝15敗)。ファイナルステージで阪神に勝って勢いに乗っていた。攻撃野球でくることは分かっていたと思う。打線は火が付いたら止まらない独特の雰囲気を持っている。逆に広島は頼みの打線が機能しなかった。特に第4戦の6回の無死満塁の好機では、代打の2人が明らかにボール球のスライダーを平気で振ってともに三振。第5戦も2対3の3回1死1、3塁から三振に倒れ、さらには盗塁失敗でゲッツー。試合感が取り戻せないのか、攻撃も作戦もチグハグだった。 ファンをガッカリさせてシラけさせた。緒方監督の采配も裏目に出たケースが目立った。

 投手陣も本来の姿ではなかった。若いピッチャーに浮ついた表情が読み取れた。私の経験から言うと、短期決戦になるほど選手のコンディション、調整方法は難しい。特に若手中心の昨年の経験が、今回は雨などによって生かせなかったのか、まさか4連敗するとは。観戦に来てくれた大勢の広島ファンも「なんで負けたんだ、こんちくしょう」とチームに喝を入れてもらいたい。巨人のOBでありながら、昔から広島のチーム作りに好感が持て、今後も応援していく。コーチ陣はしっかり勉強して、基礎練習に徹底してほしい。


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