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今日も野球日和

第65回 「一発長打が魅力だった『ゴジさん』」

藤井 弘

 容姿とパワーをもじって快獣≠フゴジラに似ているところから「ゴジさん」の愛称で親しまれたのが藤井弘一塁手。

 1955年(昭和30年)、地元福山の盈進商(現盈進高)からノンプロの倉敷レーヨンを経て入団した。一発の長打力は、まさに快力。「ホームラン」にまつわる話は数々の場面で発揮。粗削りだがゴジさんの「三振もするが一発逆転ホームランもある」スタイルは、ファンの人気を集めた。

 大柄な藤井は、同期入団の日系二世で小柄なフィーバー平山とは身長が10cm以上も違っていた。2人は仲が良かった。平山が流ちょうな日本語で「ゴジやん」「ゴジさん」と声をかければ、藤井も「フィーバー、フィーバー」と呼び返す。ナインにしてみれば「デコボココンビ」のその掛け合いがベンチを和ませた。

 打順は、俊足巧打の平山が一、二番を、藤井はクリーンアップを任されることが多かった。中堅平山は塀ぎわの魔術師≠ニまで称され、好守備を誇った。対照的に、藤井の守備は決してうまい方ではなかった。律儀な性格は純真さと不器用さがついてまわった。一塁に打球がコロがるとファンを冷やりとさせ、とくに飛球に対しては大の苦手だった。ファールフライなど、ドタバタしながら捕球しようものなら、スタンドからは失笑とやんやの拍手が起こった。ただ、プレーに対する一生懸命の姿が、好感を呼び、場内からは「ゴジさん」「ゴジさん」コール。

 すでにプロ入り10数年を過ぎ、力も衰えつつあったゴジさんは、入社間もない新米記者の取材には丁寧に応じてくれた。ゴジさんらしい性格の一面は話し口調にも出ていた。「あの‥あれや‥このへんでなぁ‥」と言葉を探しながら、最後に自分の言いたいことが出てくるという、何とも憎めない人物だった。

 チャンスで三振もするが、藤井の真骨頂は、一番は各チームのエース級に強かったこと。400勝投手の金田正一(国鉄)からは劇的な2本のサヨナラホーマーを放ち、他球団の投手からも4本の満塁本塁打を打っている。当時、松竹ロビンズ(現横浜)から獲得していたホームラン王の「ポスト小鶴誠」としての期待も大きかった。59年、63年には20本台の本塁打を記録した。カープ一筋の実働15年間の通算成績は1034安打、177本塁打、603打点。69年に引退後はスカウト、打撃コーチ、二軍監督などを務めた。最後にエピソードを一つ。二人の娘さんを嫁がせた結婚式。新郎、新婦の目の前でゴジさんは号泣。出席者の涙を誘った。

プレスネット2017年5月18日号掲載


   
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