東広島市議会の山下守議長と大谷忠幸市議が、対立している。昨年9月の定例会・一般質問で大谷市議が業者名を挙げて、公共工事をめぐる入札問題をただしたことが発端だ。山下議長の措置に納得しない大谷市議が、山下議長に質問状を提出。質問に対し山下議長は回答したが、両者の主張は平行線をたどったままだ。

 東広島市は、人口20万都市の実現を目指して、公共交通網の整備や、3次救急医療体制の整備、子育て支援の充実など取り組むべき課題はめじろ押し。このような市の将来に最も大切な時期に、執行部と車の両輪をなす議会は何をやっているのだろうか。今回のことは、決して2人だけの問題ではないはずだ。良識ある市民の判断を求めたく、山下議長、大谷市議双方の言い分を掲載した。(日川)

それぞれの主張

 大谷市議の主張は、10月18日付で山下議長に出された要望書を原文掲載。山下議長の回答は、11月17日の市議会全員協議会での口頭での回答をまとめたもの。

大谷忠幸市議の質問状 原文掲載

東広島市議会議長 山下守様
平成28年10月18日 街おこしをめざす会 大谷忠幸

平成28年2月9日(火)10時から12時まで、東広島市内の土建業者12社の代表者が、議長室に詰めかけ、私、大谷忠幸と、山下守議長に詰め寄り、昨年9月議会の私の一般質問で、土建業者14業社の会社名を挙げたことに対して撤回を求められました。当初、私は、土建業者を代表して2社が来られること、そして私と山下守議長がこれに対応すること、を聞かされておりましたので、応ずることにしておりました。しかし実際には、先程申し上げましたように、土建業者14社のうち12社の代表者が、議長室内に所せましと陣取り、約2時間にもわたり、私に対して質問と称して、なだめ、すかし、おどしを繰り返されたわけであります。気の弱い私は、目にたまった涙がこぼれそうになり、ついにはおしっこを漏らしそうになったほどでした。はっきり言って脅迫行為であります。

そこで数点、山下守議長に質したい。

@なぜ、白昼堂々、東広島市議会議長室でこのような脅迫行為を黙認されたのか、お答えください。

Aなぜ、その脅迫行為に東広島市議会が屈し、インターネットで公開されているビデオ情報から音声を消去し、議事録を白紙化したのか。

いまだに、私大谷忠幸は、上述の修正には同意しておりません。これに対し山下守議長は、『議長権限』で上述の修正を行ったと今でも申しておられます。議長のおっしゃる『議長権限』とはどのようなもので、どこにその具体的な内容が記載されているのですか。お聞かせください。
これははっきり言って言論封殺ではないですか。

B市民の代表である議員に対し、このような脅迫行為を行う業者が、東広島市の工事入札に参加できるということは、いかがなものかと考えます。この点について行政サイドと協議の上ご返答願います。

なお本件につきましては、土建業者14業社のうち13業社が、広島地方検察庁に名誉毀損で私こと大谷忠幸を刑事告訴され、受理されました、しかし、平成28年9月5日『このたびは起訴しません。』との連絡を受け、つまり不起訴となったわけであります。そこで、インターネットで公開されているビデオ情報・議事録のすみやかな原状復帰と今後このような行為を議員に対して行わないとの趣旨の発言を求めます。

以上について、次回の全員協議会までにお答えください。


山下守議長の回答 市議会全員協議会での発言

 お答えいたします。

 @まず、1点目なぜ白昼堂々議長室で脅迫行為が行われ黙認したのかですが、ご承知の通り、私もその場にいました。受け取り方には個人の主観があるという前提の上で申しますと、脅迫行為に当たる事実はなかったと認識しております。

 A次に2点目、その脅迫行為に東広島市議会が屈し、インターネットから音声情報を削除し、議事録を白紙化したのかですが、先ほども申し上げましたように、脅迫行為の事実はなかったと認識しております。屈したとされる表現は大変遺憾であり、大谷議員が言われるような脅迫行為でネット上の議事録と音声を削除したということはありません。ネット上の音声と議事録の当該発言を一部削除した理由は、2月16日に大谷議員にお話ししたとおり、前段の発言と業者名の発言との関係において、会議録の録画を見たものの多くが、不正があったという理解をする蓋然(がいぜん)性が高いと判断し、名前の挙がった業者が不利益を受けるという可能性を鑑み、ホームページ上での公開は相当でないと判断した。

 次に議長権限はどこにあるのか、どこに明記されているのかですが、削除は議長として私の責任において行ったものであり、したがって大谷議員の同意は必要ないと認識しております。削除作業については議長の事務自治権により事務局の人間に削除させたものであります。地方自治法第104条であります。

 次にこれは言論封殺ではないかですが、議員の言論の自由を妨げ封じるようなことがあれば、言論封殺といわれても仕方がありませんが、今回の件は先ほども申し上げました通り、名前を挙げた業者について会議録を見た多くのものが不正があったという理解をする蓋然性が高いと判断し、実名部分を伏せたものであって、発言の趣旨そのものを否定したわけではなく、問題はないと考えています。削除した部分は市民の多くが簡単にアクセスできるホームページ上のものにとどまり、会議録副本と一部異なりますことをご案内もしております。

 B議員に対しこのような脅迫行為を行う業者が東広島市の工事入札に参加できるとはいかがなものか、この点について行政と再度協議し回答してほしいということですが、繰り返しになりますが、脅迫行為の事実はなかったものと認識しており、入札の参加資格には影響を及ぼさないものと認識しております。

 不起訴になったことは承知しております。よってインターネットで公開されているビデオ情報・議事録の速やかな原状復帰をとのことでありますが、不利益を受ける可能性というのは起訴、不起訴の結果に左右されるものではないと認識しており、私が原状復帰する考えはありません。


これまでの経緯

2015年9月 定例会一般質問で大谷市議が業者名挙げ質問

 大谷市議が数年間の公共工事に特定の業者が入れ代わり落札していると、14社を実名で発言。積算能力のない会社が次々と落札し、積算能力のある会社が落札できないのであれば真面目に積算する会社がいなくなってしまう、などと指摘。

2016年2月9日 業者が発言撤回求め申し入れ

 大谷市議から実名で発言された業者のうちの12社が、市役所に山下守議長と大谷市議を尋ね、発言の撤回を求め申し入れをした。業者は「何を根拠に14社名で挙げたのか」「14社への侮辱」などと発言。大谷市議は「入札結果をもとに、どう考えてもふに落ちない業者を選び発言した」などと述べた。

2016年2月25日
インターネット公開の議事録・音声の業者名削除

 山下議長は「実名を挙げたことで、業者が被害を被る可能性がある」として、議長権限でインターネット公開している業者名を削除する、と業者に説明した。議事録原本は法律上、削除できないとした。

2016年5月25日 業者が大谷市議を刑事告訴

 実名で発言された建設業者13社が、大谷市議の発言は名誉毀損(きそん)罪に該当する、として広島地検に刑事告訴した。広島地検は告訴状を受理した。

2016年9月5日 広島地検が大谷市議を不起訴処分に

 建設業者が大谷市議を刑事告訴していた問題で、広島地検は「嫌疑が不十分」として大谷市議を不起訴処分にした。大谷市議は本紙取材に対し「自分の発言したことについては、これからも誠を貫く」。業者の代理人弁護士は「不起訴は真実性の証明が不十分だったため」と推察した。

2016年10月18日 大谷市議が山下議長に質問状 

 市議会全員協議会で、大谷市議が、一連の問題に絡めて、山下議長に質問状を提出(内容は右記載)。次回全員協議会までの回答を求めた。

2016年11月17日 山下議長が回答

 市議会全員協議会で、山下議長が大谷市議の質問状に回答した(内容は右記載)。山下議長の回答を受け、業者8社が、大谷市議に損害賠償を求める民事訴訟を起こすことを決めた。


読者の声 私はこう思う

▼議員の発言には守秘義務がない分、重みがある。その意味では、直接的ではないにしろ、確固たる証拠もなく、談合をしていると受け取りかねないような発言をしたことは、大谷議員の勇み足だろう。(現職市議)

▼お粗末な議会と言わざるを得ない。議長と一市議の問題ではない。議員の一般質問があった昨年9月の段階で、議会全体の問題として、このことに真剣に向き合わなかったから、業者が刑事告訴するまでに至ったのではないのか。議会としての見識が問われる。(元議長)

▼議長には議会をまとめることと、議員の立場を守る役目がある。今回のように議長と一議員が対立するような構図はあってはならないことだ。議会が機能していないのではないか、と思える。本来の議会が相手にするのは執行部。このようなことに時間を割いて、市の街づくりに支障を来すようなことがあってはならない。(元議長)

▼議員の質問する権利は保障されているとはいえ、個人の人権を侵していいわけではない。恣意的なものではないにせよ、この問題は議長と一市議の個人プレーであり、場外乱闘と言わざるを得ない。議会でズルズルと引きずるのはどうかと思う。この問題を機に、議会運営の在り方について議論をすべきだとは思うが、全議員が共通のフレームに立った議論にしないと、建設的な意見は出てこないだろう。(現職市議)

▼質問した市議は、議員の資質に欠けていると言わざるを得ないし、質問を止めなかった議長もどうかと思う。どっちもどっちであるし、この問題を見過してきた議会全体の責任でもある。議員には議員必携を読んで、もっと勉強してほしい。19万市民の代表であることを忘れないでほしい。(元市職員)

▼大谷議員は数年間にわたり、入札結果を元に自分の主観だけで調べたのではないかと思いますが、実名を挙げられた業者は苦しみ、インターネット公開を見た人たちには、何か悪い事をしている会社だと思われていないか心配で心配でなりませんでした。大谷さんが逆の立場だったら…と考えた事はありませんか。確証があるなら議長に言うより、他の機関に訴えたらどうですか。議長室で脅迫されたことも合わせて…。自分の野望だけのために、根拠のない発言はしない方が大谷さん本人のためにもよろしいかと思います。(60代・無職)

▼2015年9月の大谷市議の発言については、具体的な事案が無いにもかかわらず、一部の建設業者を実名で批判されているように思われます。それに対して、実名で発言された建設業者の方々が、お怒りになる気持ちも十分に理解できます。もしも、大谷市議が、明確な事実に基づいて2015年9月の定例会一般質問で、今回の件を発言されたのであれば、その内容について、もう少し具体的な発言をされたほうが良いと思います。(54歳・会社員)

▼そもそも、建設業者代表2社が来る予定なのに、何故に12社が詰め掛け議長室を占領まがいな事が 出来るの? 東広島市議会は、民主主義が守られていないのか? とも思います(前もって決めた事は守ろう)。 先ずはルール違反(記事のみの内容から)? 前提の代表2社から12社になった事について明らかにしては? 内容によっては、『癒着』『便宜を図る』的な疑念もでますし、業者さんの動きが異常では? とも感じます。(49歳・会社員)

▼大谷市議は東広島市で実施されている公共工事の落札決定方法について、もう少し考え、勉強し、発言された方がいいと思います。(20歳・会社員)

▼大谷市議は東広島にある建設会社14社がなぜ不正を働いていると思ったのですか? もし安易な考えで発言したのなら議長との争いの前に、公の場で謝罪した方が良いのではないでしょうか? 一市民として、議長とのやり取りの内容がバカバカしくてなりません。(40歳・会社員)

▼大谷市議の発言に対する、他の市会議員の意見も聞いてみたいです。(50歳・会社員)

▼どんどん発展して住みやすい都市になっている東広島市。議会ではこんな争いをしてるのかと思うと残念です。根拠のない名指し発言は、多くの人を巻き込み多くの人に誤解を与えると思う。根拠のない名指しならするべきではなく、根拠があるのなら具体的な事例を聞いてみたい。(40歳・会社員)

▼大谷議員が当初議会の中で発言した内容はしかり、更に今回また脅迫された主旨の発議を行った本人に対して、一人の議員として発した内容が市民にどれくらい影響を与えるのか責任をもって発言するよう望みます。過去の受注状況を照査したと発言されていますが、一体何を元にどの様に分析した結果、このような発言に至ったかを、逆に詳しく聞きたい次第です。事実無根で発言されたなら発言を撤回し速やかに議員辞職されたい。(51歳・会社員)

▼私は、今回大谷議員に名指しされた業者で積算業務を行っている者です。数年間の公共工事に積算能力の無い会社が次々と入れ替わり特定の業者が落札しているとの発言に対して、非常に憤りを覚えると同時に市民の代表でもある市議が発した事に対して心外しています。弊社では受注の機会を得るために、積算ソフトの導入や積算講習会への受講等、多額な設備投資や教育を長年行って来ており、また公告物件が集中する際は、相当な労力を費やし積算しております。一体何を根拠に発言されたのか逆に議員としての質を問いただしたい次第です。(68歳・会社員)

▼大谷忠幸への質問、1脅迫行為について文章表現では分からない。当時の録音はないのか。2このたびは起訴しません。勝訴ではないよ。
 議会への質問、この質問状は議長一人の問題ではなく早く議会で解決して本文に集中してください。東広島市の議会の品格にかかわる。2脅迫行為について録音があれば、弁護士有識者に判断を依頼せよ。

▼私は、大谷議員に名指しされた業者の代表者で、去る2月9日に大谷議員と会談した一人です。質問状に記述されたような、大谷議員が涙をためた姿など目にしなかったばかりでなく、大谷議員に対して、業者は誰一人として、大声を上げたり、荒げたりする者はおらず「先生のおっしゃる根拠はどういうものなのですか」などといた尊称で呼び掛け敬語ならび丁寧語の言葉遣いでした。このたびの、大谷議員の質問状を読んで、議員なのに、ここまで嘘をかけるなんて驚愕しております。(66歳・会社代表)

▼大谷市議が積算能力と発言されていますが、どのようなことでしょうか。頭がよくない私には??が付いています。積算能力がある会社、ない会社とは、どこで分かるのでしょうか。(主婦)

▼第1 先ずは、議長に議会のHPの一部を削除する権限があるか、の問題である。
 議長は議会を代表する。代表とは代理のことである。代理人は本人から委任された事項を処理する。権限があるかについては、私法上は代理権目録に記載されているかどうかが問題になる。代理人が代理権目録に記載されていないことを処理した場合は権限外の無権代理であって原則無効である。
 この考えに立てば、東広島市議会は広報活動における議長の権限行使に関し特段のルールを定めていない模様であるから、地方自治法104条の規定だけで、HPの一部削除を議長権限であるとするのは無理があるのではないか。
 しかしながら、全員協議会において、(他の議員の動向が伝わって来ないけれども、)議長の振舞に関する批判がさほど大きくないのであれば、議会内に議長の権限外行為を追認する空気が存在するのかも知れない。
 いずれにせよ結局のところ、議会内にこの問題に関するルールがないことが紛争の原因となっているのであるから、この際ルール作りが必要である。なし崩し的にものごとが決まっていくのは市民の利益に合致しない。立法府たる市議会はこの事件を契機にこの分野に関しルール作りに取り組んで欲しいものである。
 第2 次なる問題は、本年2月9日議長室で起こったことが「脅迫」にあたるかどうかである。大谷市議は、議長から訪問する建設業者の代表者の数を2社と聞かされていたにもかかわらず12社が詰めかけたというのであるから、仮にこの点が事実とすれば、12社は1、2名の代表者を選ぶことが可能であること、議長室は密室であること、後日彼らが大谷市議を告訴する程度に被害感情を有していたこと等を考え合わせると、「脅迫」の事実の蓋然性が相当程度推認される。
 また同時に、議長の行為等については12社が詰めかけることを事前に知りながら大谷市議には故意に2社という事実に相違する通知をしたのか、代表2社という認識でいたにもかかわらず図らずも12社の業者が詰めかけたのか、数々の疑問が生じる。
 議長が、12社が詰めかけることを知りながら大谷市議に故意に2社と少なく伝えたのであれば、脅迫ほう助又は共犯の疑いがもたれる。仮に議長自身が業者側から2社という風に聞かされていたにも関わらず12社が訪れたというのであれば、部屋の主たる議長は招からざる客の退去を求めるべきであった。ゆえなくそれをしなかったのであれば脅迫に加担したとみなされても仕方がない。
 以上は仮定の事実に基づく推測に過ぎず、脅迫があったか否かを断定できる程度には客観的事実が明らかになっているとは言えない。しかしながら、仮に脅迫の程度に至らないとしても、それに近い脅迫類似の行為があったらしいと推認される。
 市議会議長室というオフィッシャルな場で犯罪行為、若しくはこれに準じる行為が行われたというのであれば市民感情がこれを許さない。選良のさらなる代表者たる議長はかかる風評の立つことを恐れ、慎重な行動を選び不要な誤解を避けるべきであった。そうすることは可能であったにもかかわらず、あえてそうしなかったという事実が残った。議長はその不用意さを責められても止むを得まい。
 第3 大谷市議の一般質問中に民事責任又は刑事責任を生じるような発言があったとすれば、それぞれ法的手続きに従ってその責任を明らかにすべきであり、法的措置が講じられつつあることはよいことである。
 第4 二元代表制を採る地方自治において、議会が行政府の行為を追認するだけの機関に堕しては議会の存在意義は無きに等しい。議会の役割の第一は行政諸作用のチェック機能にある。件のHPを閲覧した。大谷市議の一般質問がこの原則を踏まえたものであったことは押さえておかなければならない。
 以上(64歳・行政書士)

▼大谷議員は14社を実名で発言されたことは、それなりの確信と証拠があってのことと思います。議員として言われた以上、屈することなく、議員の言われる積算能力のある会社も実名公表されたらよいと思います。撤回を求められた議長室で、土建業者2社が来られると聞いていたが12社がきて脅迫した、とありました。しかし、実名発言に責任もって答える義務は大谷議員にあるべきです。答えられない大谷議員があるから『議長権限』となり、疑わしきは罰せずのように思えます。どうぞ、大谷議員は議員として毅然として、実名発言した14業者に真摯に応えるべきだと感じました。(55歳・会社員)

▼脅迫行為かいなかはわれわれ市民が判断すべきこと。速やかに公開せよ。(63歳・会社員)

▼市の公共工事です。私たちの税金がどこの業者にいくら支出されたのか、実名公表されるのが当然です。過去・現在ともに公共事業と土建業者の談合・癒着・口利き・贈収賄事件は全国津々浦々に見られて、再発を防ぐために議会の発言でも書類でも公開しなければいけない。これに異議を唱える方がやましい。談合が日常茶飯に行われているのを隠したいからです。隠せば隠すほど市民は注目します。(69歳・医療福祉法人理事)

▼議長の発言には首をかしげざるを得ない。
 「個人の主観」で脅迫行為は無かったと言うが、2社が来るという事前の話と異なり、12社が訪れて2時間にわたり撤回を強く求める行為は「客観的」に見れば、脅迫、もしくは威圧行為に当たると考えられる。また、議事録の白紙化も「私の責任において」と言えば聞こえは良いが、結局は検察が名誉毀損の嫌疑が不十分と判断した発言を「自分の主観的な判断で」削除したに過ぎず、議事の整理の範囲を超えた、地方自治法に明記されていない権限を行使したと言える。
 議長の主観によって公開、非公開を決定できるのであれば、自らにとって都合の悪い発言、対立する意見すら削除可能であり、到底まともな議会とは言えないだろう。
 業者が「不利益を受ける可能性」があったのであれば、その言い分を文書で公表すれば良いだけであり、片方の言い分を受け入れ、片方の言い分は削除するというのは、明らかに公平性を欠いている。(38歳・会社員)

▼議会は「公開が原則」であり、市民に公表する義務と責任がある。 議会情報の全ては市民のものであり、市議会組織、議員の使命は「市民が良質な行政サービスを持続的に受けられるよう市の基本方針や重要事項を決定し、行政機関を監視チェックする」ことにある。今回、背景はどうであれ、公平公正であるべき議長が、市民が選んだ一議員の発言を妨害する行為(議事録の削除)を行ったことは、東広島市議会への信頼を損ない大変腹立たしく思う。(64歳・公務員)

▼墓穴を掘るという言葉があるが、大谷議員が入札妨害する意図はあるとは、とうてい考えられず、事件の闇を疑う。市長や議長がつるんで悪事を働いていることを想像する。
 山下議長が、大谷議員の活動、発言の妨害をした事実は許せない。即刻、辞任してほしい。立場をわきまえない議長は無能だ。市民をバカにするな。(72歳)

▼随分前から市から発注される工事に付いては談合があるとされていますが、今回の事案でも話の元は談合と判断できます、市が発注するすべての工事を完全公開入札し落札価格が落札予定額の90%より上なら談合を疑う必要があると思われます、制度の思い切った見直しを考える必要があると思われます。(71歳)

▼大谷議員の発言は、何の根拠もなく、名指しされた業者は議会の議事録には未来永劫に残りますが、業者の言い分を一般の方に伝える方法がありません。議会で徹底的に調査してほしと思います。(55歳・会社員)

▼今回の騒動の発端である大谷市議の業者名を挙げた発言は間違いだと思います。これまでにも多くの政治家が不正疑惑を公共の場でただした騒動がありましたが、多くは噂や憶測を信じて事実関係を確認せず発言され失態を起こされています。積算能力がない業者と発言されていますが、なぜ数ある指名業者のうちこの14社だけ(名指しされた)が積算能力がないと判断されたのかわかりません。積算能力がないこと証明することはまずできないと思います。このように今回も同様に憶測等でよく事実関係を精査せず発言に至ったのではないかと思われます。共工事に関しては昔から談合や癒着とかあるのでは?と思っている市民も多くいると思います。根拠のない発言は業者の名誉を傷つけばかりか市民の不安をあおるもので大谷市議の資質を疑います。(57歳・会社員)

▼市議会での業者名を挙げた大谷議員の行動は、理解できません。「積算能力がない」という論拠は何なのでしょうか?「脅迫された」というのも、議長がそばにいて、「脅迫行為はなかった」と言われています。どちらが嘘を言っているのでしょうか? 検察庁の「このたびは起訴しません」というのは次回は起訴しますよということではないでしょうか。昨今地方議員の資質について問題になっていますが、今回の大谷議員の行動は資質を疑われるものではないでしょうか。(56歳・会社員)

▼市議会で業者名を挙げてあたかも不正があったかのような発言は名指しされた業者にとっては十分名誉棄損に当たると思う。起訴されようが不起訴になろうが大谷議員は発言を撤回するべきです。今後も「自分の発言したことについては、これからも誠を貫く」ならば明確な証拠や根拠になったデーター等を速やかに開示すべきだ。もしも憶測だけの発言だったとしたら名指しされた業者以外から何らかの便宜を図ってもらった見返り発言?て可能性もあるのではないでしょうか。(56歳・会社員)

▼業者名挙げ質問した時点で、質問内容を確認することなく事実とは異なることを元に質問されている。不起訴になった時点で止めればよいものを、山下議長に質問状を送る始末。何をされたいのか…。(30歳・会社員)

▼山下議長の回答について、1大谷氏が指摘している議長室への予定数以上の侵入に対する回答がない。2議長権限に関する回答の地方自治法第104条について、どの条項にあたるのか具体的に示せ。3脅迫行為の認識は各個の問題と考えるのは構わないが、議長室への予定数(2)より過大な14としたことをどう考えているのか。14名は、あきらかに大谷氏を敵対しているのは予測できたはずである。山下議長もその仲間としか考えられない。東広島市の契約実績を見ると、ほとんど入札金額が予定金額の95〜99%となっている。とても適切な競争入札が行われているとは思えません。大谷氏が指摘するように業者間の談合又は官製談合を疑うのは当然です。
 悪しき慣習を是正しようとする者への官民併せての排斥(嫌がらせ)行動です。こんなことを許していたら健全な市政は不可能でしょう。(68歳)

▼一人の議員に質問するのに12人の業者を議長室に入れることはあってはいけない事でした。例え、無言であれ意識的で威圧的な行為であると思う。この行為を認めた議長の見解が疑われる。(78歳男性)

▼1、面会の約束が2社であれば2社を議長室に入れるべきであり、12社を入室させたこと自体、議長の判断の誤りである。2、議長が職権で音声を消したり議事録を白紙化したことは、事実を確認する手段、または、当時の経緯を確認する手段を消滅したことになり、大谷市議脅迫の証拠隠滅である。3、何と言っても、議会の透明性と市民への情報公開が第一である。正々堂々とビデオ、議事録を公開して、当時の状況を市民へ説明すべきである。(66歳男性)

▼なぜ大谷市議がその業者の会社名を挙げたのか。市民にその根拠を明確に説明しなければ判断のできない事だと思います。大谷市議がその業者が不正していると判断した情報なり、データなりを示してほしいと思います。

▼あってはならないことだ。執行部と議会の馴れ合い政治は決して、東広島市民の利益にはならない。それは東京都の豊洲問題や、議会への復活予算枠などの例をみるまでもない。ましてや東広島市において、白昼堂々議長室で脅迫行為が行われた。議長によると、受け取り方には個人の主観で脅迫行為にはあたらないとのこと。ならば、削除されたインターネット上で公開されていたビデオ情報、議事録を正直に速やかに原状復帰し、市民の個々の判断に預けるべきものです。それでこと東広島市議会はオープンで民主的な市政を運営する一助となるものだと思います。(男性無職)

▼私は、東広島市内の建設業者で今回名指しをされた業者ではありません。本件に際し、大谷議員は東広島市の入札制度について理解されている上での発言だとは思いますが、入札システムの都合上年度によって受注できた件数には当然波があり、また応札する頻度にもよってかなり違ってくるのが現状です。よって今の制度であれば集中して受注できる可能性もあり逆を言えば全く受注できない場合もあり偏ってくる場合もあります。
先程述べた後者側から見れば、大谷議員が発議された内容と同じような思いを抱くかもしれませんが、今の制度であるならあくまでそれは錯覚です。多分にそのような声も聴収した発言かとも思いますが、我々建設業界は、少ない利益の中で積算ソフトや工事管理システムの導入等にも毎年のように多大な設備投資を行いながら生き抜いているのが現状であります。そのような厳しい状況下でも地域に貢献していく我々健全な建設業界があることを大谷議員に知って頂きたい。(52歳・建設業)

▼@まず、山下議長は定例会一般質問発言進行中は何をしていたのか?後になってインターネットやホームページ、その他をいじる行為は大変悪い。 A疑問を持つ事柄に実名(社名)があると、実に分かりやすく解明も速い。 B業者は、今後の不利益が気になるから刑事告訴をした。が、議長の言う「起訴、不起訴の結果に左右されるものではないと認識している」…は、本当におかしな話です。さらに損害賠償を求める民事訴訟を起こすと決めた。…は、お門違いもいいところ。もともと不正があったのか、なかったのか?が質問であるのに対し回答で山下さんが行った削除や考え、判断なり、認識等は、全部議長として間違っていると思う。大変お粗末な回答でした。
C市民代表、大谷市議「ガンバレー。」以上(75歳・無職)

▼・紙面上の流れで推測するに、質問に実名発言することは、名誉毀損罪です。白紙撤回する必要があると思います。(大きな問題です)・議長室で脅迫行為があったとありますが、推察するに議長の意見が正しいように思います。この件は、大変大きな社会問題です。当事者の責任問題になると思います。白黒はっきりさせて解決してもらいたいものです。大谷市議の言動は、虚偽的に思えます。謝罪されたらどうですか。責任問題ですよ。(65歳・農業)

▼1大谷市議の質問は、東広島市入札制度について全くご存じないように思われます。何を根拠に何を言わんとしているか支離滅裂であり、虚偽告発的な一般質問に値すると考えざるを得ません。また、業者側が事実無根として、名誉棄損で告訴したこと。(後に不起訴となる)実名発言で損害賠償訴訟を起こす件については、当然ではないでしょうか。しっかり調査勉強されたらどうですか。議員の資質を疑います。2実名発言については、白紙撤回をする必要があると思います。3「脅迫行為」の件については、紙面上予想するには、市議側に虚偽性があり、議長に正当性があるように感じられます。この件でも、業者さんは、不当業者扱いされて大変迷惑されていると思います。市議の責任問題になるのでは。早く解決を望みます。4 大谷市議の虚偽的な質問に、行政側の答弁は如何だったのか知りたい。(68歳・無職)

▼今回のプレスネットを読みました。9月定例会の一般質問で、大谷議員は能力のない会社が落札し、ふにおちない業者を選び発言したと書いてありましたが、その業者がなにをされたのか、どのようなことがあったのか具体的に示してもらいたいと思います。根拠もなく、議場にて業者名を挙げて、発言をされたのはやはり名誉毀損になるのではないでしょうか。又、根拠があるのであれば、業者は何らかのペナルティを受けなければ、いけないのではないかと思いますが、又、議長室で業者が大谷議員に対して脅迫行為をされたと書いてありましたが、これが本当の話しであれば、逆に大谷議員が訴えればいいのでは…と思いますが、いかがでしょうか。
 9月5日「このたびは起訴しません」不起訴でしたと書いてありましたが次に何かがあるのでようか。むやむやですね。いずれにしても、しっかりしてよ、市議会さんですよ
 今回の件は議長さんと一市議さんだけの問題なのですか。物申さぬ議員さん。議員さんだけの問題ではないでしょう。何事も前に進まないですよ。今おられるベテラン議員さん。1期、2期、3期、4期の人は実績があるでしょう。若い議員さんの指導者にならなくては、いけないのでは?市民は今、議員さんを議員として見てませんよ。そういったことが選挙の投票にも表れているのではないですか。市民の代表ですよ。各議員さん頑張ってください。期待してますよ。(48歳・主婦)

▼大谷議員の発言内容の間違いについて。一部業者が繰返し落札しているという発言は間違いで入札結果を見れば誰でもわかります。実名を挙げた業者以外の業者も繰返し落札している事は、入札結果を見れば明らかです。実名を挙げて事実と異なる事を議会で発言することを許していいのでしょうか。
 又、積算能力の無い会社が落札している、との発言は、何を根拠としているのかわかりません。根拠のないことを発言するというのは議員の資質が問われます。議会での発言は十分な調査を基にしなければ政務調査費を支給する意味が有りません。発言された以上は根拠を示す必要が有ると考えます。このような間違いを平気で発言するのは議員失格と思います。

▼土建業者代表2名と議長及び大谷議員とで話し合いがもたれることになっていたのに、土建業者代表者が12名も話し合いの場に詰めかけたのに、議長は全員の入場を認めたのでしょうか。それとも議長の静止を無視して業者は話し合いの場に入場したのでしょうか。大谷議員のいうところの土建業者代表者は2名と取り決められていたのであれば、約束違反であり、議長はその権威にかけても話し合いの場への入場は阻止すべきであったと思います。そういうことを一切しなかったのであれば、議長としての資質に問題があると思います。「積算能力のない会社が次々と落札し」の件で、業者は反発しているようですが、この発言に関して、大谷議員は確たる証拠を示したのでしょうか。確たる証拠もないのに議会で発言したのであれば、その責任を負うことになるのではないでしょうか。
 私は以前に東広島市の入札で、予定価格を入札前に公表していることに関して東広島市職人に尋ねたことがありました。その時の回答は「工事費の積算が出来ない業者もいるから」とのことでした。
 今後の東広島市が発注する工事において、事前の予定価格公開は禁止し、入札参加者からは「工事費積算内訳明細書」を入札書に同封して提出いただくようにすれば、業者にかけられた疑いは晴れるものと思います。(これまでも、業者の方は積算していたと主張しているようなので、業者の負担が増加することはない)
 入札にあたって、談合や内訳明細書を業者間で融通し合うようなことはしないものと思いますが、仮にそのようなことが認められた場合には、当該業者に関しては、東広島市の発注する工事への入札参加は、永久に認めないようにすればよいと思います。会社名や代表者名を変更しただけで、以前の会社を引き継いでいるものについても同様の措置をとることとすればよいと思います。勿論、下請として工事に関わることも禁止です。
 東広島市発注の工事を市内の業者に優先して発注することについては、入札価格が他市のものと比較して同程度のものであれば意義はないものの、割高な入札になっているようであれば、入札に東広島市の他に、県内及び近隣県の業者を入札に参加させることも必要です。(市民の税金を無駄遣いせず、有効活用するため。(66歳・無職)


記者座談会

 議長と一市議の対立。3人の記者が座談会を開き、取材を通して感じたことを語った。

 本紙に寄せられた読者の反響は。

 大谷市議については擁護する意見と批判する意見が半々。擁護する意見では、権力に迎合しない姿勢を評価する声が目立った。批判する意見では、100%の証拠もなく名指しで発言したことに憤りを覚える声が多かった。山下議長については、ネット上の議事録の一部を削除したことへの批判が目立った。

 現職市議や元市議、元市職員らに聞いてみると、どちらもどちらであるという声が大半だった。議会全体の問題として捉えるべきという意見や、東広島市議会の失態につながるという厳しい指摘もあった。

 本紙がことし7月に取り上げた市議の政務調査費はクリーンだっただけに、今回の問題が市議会全体にマイナスイメージをもたらしたのは残念だ。

 一般市民からは、普段、見えにくい議会が何をしていたのかが分かったという意見が挙がっていた。圧倒的に多かったのは、全く興味がないという声(笑)。こんな問題に紙面を割く必要はない、という意見も頂戴した。

 市政には取り組むべき課題が山積している。今回、 一市民として感じたのは、市議会には、今回のような問題に時間を割く暇はないのではないかということ。もっと、東広島が住みやすい街となるよう、ごみ問題、三次救急問題、待機児童問題など直面する課題に向き合ってほしい。

 今回の問題がズルズルと尾を引いて、市政に空白をつくってはならない。大谷市議も山下議長も感情論が先行してはいないだろうか。感情論では何も解決できない。

 今回の記事は、依頼があって取り上げたもの。半面で、建設的なことでの市議からの取材依頼はほとんどない。市議には、本紙を利用してどんどん情報発信してほしい。それが、「市議や議会の見える化」につながる。

 市民が最も知りたいと思っているのは、市民生活が良くなるために、議会で何をやっているのかということ。今回、市民の声を直接聞いて分かったことだ。

 市議会が、市民の関心事のある問題をきちんと議論しているのか。そのことを、他都市データと比較しながら紙面に反映させたい。プレスネット的に言えば、そのことに気付いたことが、今回の問題を報道した一番の収穫だった。


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