各関係者の評価とコメント

@地方創生予算約2,500万円の効果は?(全国に市をPRできたか)

行政担当者 4/5点
映画関係者 2/5点
出 資 者 2/5点
地元協力者 2/5点

 地元・東広島市で撮影が行われたことには、「まちづくり」の観点からいずれの関係者も評価を示した。一方で、全国規模でのメディア露出が少なかったこと、主演女優の舞台あいさつがなかったこと、都心部での上映館が少なかったことなどへの不満が目立った。地元参加者からは「本当に映画で地方創生が行えるか、疑問が残った」という意見もあった。

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A興行成績への満足度

行政担当者 3/5点
映画関係者 3/5点
出 資 者 2/5点
地元協力者 2/5点

 目標は100館と聞いていたが、10月20日の全国公開でわずか三十数館の公開。上映の館数、場所、期間に疑問を覚えるという意見が目立った。映画関係者は「地元の映画なのに、東広島市で作品を見た人が人口の1割にも満たない」と残念がった。

 昨年末時点で、全国で3万4500人が「恋のしずく」を見たが、そのうちの2万人は広島県。

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B作品への満足度

行政担当者 5/5点
映画関係者 4/5点
出 資 者 3/5点
地元協力者 3/5点

 市の関係者は、良いシティプロモーションになったと評価。「第9回ロケーションジャパン大賞」の審査員特別賞を、「恋のしずく」と東広島市が受賞できたことを一つの成果と捉える。豪雨災害前の地元の風景が映し出されていることを評価する声も多かったが、「地元の人にとっては良いが、撮影地に足を運んでみたくなるほどのインパクトはなかった」という意見も出た。

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C地方経済への効果

行政担当者 4/5点
映画関係者 2/5点
出 資 者 2/5点
地元協力者 2/5点

 地元経済への波及効果に関しては、いずれの関係者も厳しい意見。作品関連の酒の販売や、イベント開催などを評価しつつも、「経済効果があったという実感がない」という声が多数。酒造関係者からは、「作品関連商品そのものの売れ行きより、これをきっかけに定番商品がどれだけ売れるかを考える」という意見があり、酒の販売数増加に結び付かなかったことを残念がった。

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D映画製作に参加した意義

行政担当者 5/5点
映画関係者 3/5点
出 資 者 2/5点
地元協力者 4/5点

 市の関係者や製作に協力した市民は、地元が団結して参加できたことに好感触。ただ、「製作サイドから食事や雑用などの無償提供の要求が多かった」と振り返り、一部からは不満の声が上がったとの意見も。「撮影現場への協力で地元にお金が落ちてくると考えていた関係者も一部にはいた。そうした映画製作のやり方について、地元ではあまり理解が進んでいたとは言えないのではないか」と分析する声も出た。

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委員会コメント

上質な作品、映画館以外での視聴に期待

検証委員会座長 久保田誠之

 鞄d通が2017年9月に提案したとされる「地方創生ムービープロジェクト」なる資料には、『映画製作という活動を通して関連事業も含めて全国に発信することによる新しい地域活性化のモデルです…』の美辞がならぶ。

 実際は映画製作で息切れてしまっており(多少の躓(つまづき)もあったかもしれないが)、同時進行的に、あるいは完成以降に間髪を入れずに実施しなければならない配給、域外発信、ビジネス創出、ふるさと強化、地域内推進機構の構築は、手つかずないし構想倒れ・画餅となっているのが実態であろう。

 言い方を変えれば、「東広島市のまちづくり」、特に「日本酒文化を基軸に如何にして全国に情報を発信していくか」という大命題の中における「手段」「パーツ」としての映画であったはずであるが、映画製作が目的化してしまったといってもよい。

 2018年末にようやく発表された「観光総合戦略」(5カ年計画)でも本映画を活用した取り組みの推進がささやかに謳われている。本来こうした中長期的構想・戦略のもとで映画製作に本市を挙げて取り組むべきところ、現状は残念な状況である。しかしICTの利用によりこれから逆転も可能である。

 「恋のしずく」は近年稀な上質な映画(映像コンテンツ)である。本市のプロモーションにはこの上ない素材だ。権利処理のハードルは高いが、是非とも映画館以外での視聴が可能となるよう、Blu−ray、DVD発売を機にストリーミング、CATV、有料衛星放送、無料衛星放送、更には全国ネットの地上波放送での放映の実現を求めたい。インバウンドを狙った海外への展開も面白いだろう。ロケ地を中心にリアルな体験を実現できるよう、市内産業界のご尽力・ご支援を願いたい。今後の本市当局のリーダーシップに期待する。


広がりのある協力体制必要

検討委員 応援子

 関係者のコメントにあるように、地方創生予算の一部を投資し「恋のしずく」が製作された。この映画による地域経済への波及効果があまり見られなかったことは、残念なことである。中でも映画公開館数が思いの外少なかったことへの不満は多いだろう。竹原市の「たまゆら」や呉市の「この世界の片隅に」などのような話題性が乏しく、広がりが見られなかった。

 注目すべきは、映画製作への協力に当たり、地元企業・団体・住民が業界の枠を超え、団結したことであろう。経験のないことで、戸惑いや不満もあったと思うが、達成感や手応えを感じた関係者も多いと聞く。地元が一つになる良い機会であった。今後もし、こうした機会があれば、「東広島市」の知名度アップにつながるような広がりのある支援や協力体制が必要だろう。

 この映画を起爆剤の一つとして、「街おこし」あるいは「地域おこし」につながり、東広島市が一層、発展することを望みたい。


検証委員会座長 久保田誠之 プロフィル

久保田 誠之(くぼた・しげゆき)

1954年 東京生まれ
1977年 東京工業大学工学部電子工学科卒業
1979年 東京工業大学大学院電子工学専攻修士課程修了
1979年 郵政省採用
1994年 郵政省電波部技術管理室長
1996年 米国連邦通信委員会(FCC)派遣
1997年 郵政省(省庁再編により総務省)にて標準化推進室長、高度通信網振興課長、電気通信技術システム課長、放送技術課長等を歴任
2003年 内閣府参事官(総合科学技術会議・情報通信分野を担当)
2005年 総務省四国、九州、近畿の各総合通信局長を歴任
2008年 同大臣官房審議官(放送行政を担当)
2010年 同大臣官房総括審議官(国際・技術総括を担当)
2013年 総務省退官(6月)9月より早稲田大学研究院教授
2014年 東京工業大学大学院客員教授
2015年 株式会社テレビ朝日ホールディングス、株式会社テレビ朝日顧問


東広島の通信簿 今後の掲載予定

5月 現役大学生に聞く、東広島ここが不満!ここが好き!
7月 西日本豪雨災害復旧はどうなった
9月 他都市よりここが住みやすい
11月 市長、市議会議員、県議会議員の365日
2020年1月 ここが変だよ東広島トップ5

※スケジュール、内容は変更となる場合があります。


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