疲れない夏休みに!

プロに聞く怒り≠フコントロール法で

 今年も夏休みがやってくる。そう、子どもはわくわくの、親はへとへとの…。「遊んでばかりいないで、宿題しなさい!」「部屋を片付けなさい!」と、怒る毎日。この「怒り」をうまくマネジメントすれば、いつもより穏やかな夏休みになる。東広島市在住の日本アンガーマネジメント協会の村山紀子さんに「怒り上手」になるこつを聞いた。(橋本)

Adviser
村山紀子さん
 東広島市在住のマナー・コミュニケーション講師。日本現代作法会総師範。国際コーチ連盟認定コーチ。日本アンガーマネジメント協会認定ファシリエーター。各地でアンガーマネジメントの講座を開く。7月19日、東広島市西条でアンガーマネジメント入門講座を開催。

夏は誰しも怒りやすい。適度な息抜きを。

 「怒る」は自然に湧き上がる感情。後悔しないよう上手に怒ろう、必要のないところで怒らないようにしよう、という「怒りの管理」を「アンガーマネジメント」という。近年、介護職や管理職の人をはじめ、普段のイライラをどうにかしたいという人たちが学んでおり、ニーズは高くなっている。

 普段、あまり「怒ること」について考える機会はないが、図にすると左のようになる。心のコップに不安、痛み、悲しみなどのマイナスの要素が溜まっていき、あふれた時に怒りが湧き上がる。夏は、「暑い」というイライラが常にたまっている状態なので、ちょっとしたことでもコップがあふれる。

 「ありがとう」「応援しているよ」などの声かけや、ショッピング、映画鑑賞、趣味などプラス要素となるアクションで、マイナス要素が打ち消せる。適度に息抜きをしよう。

「怒る」は「べき」から。許容範囲を広げてみる。

 人は誰しも「こう行動すべき」「子どもはこうあるべき」など、自分の「べき」を持っている。この「べき」を裏切られた時に怒りの感情が湧き上がる。例えば12時に待ち合わせした場合、5分遅れた人に怒る人もいれば、1時間待たされても許せる人がいる。これは、それぞれに「待ち合わせ場所には5分前に到着しておくべき」などのラインがあるため。ラインを超えると怒りになる。

 このラインの許容範囲を少し広げ、「ま、いいか」と思うことを増やしたり、「こうすると私怒るわよ」というラインを公表したりすることで、怒る回数を減らせる。

状況を考え、必要な時だけ怒る。

 本当に許せない時には怒ってもいいが、そうでない時の「怒り」の言動はエネルギーの無駄遣い。

 そうでない時を判断するのに役立つ考え方が右図。例えば、渋滞に巻き込まれた時、自分が怒鳴ったところで渋滞が解消されるわけではないので「変えられない」に振り分け。重要でなければ、好きな音楽を聞く、同乗者と話すなどして怒りを回避。大切な約束に遅れるなど重要である時は、電話連絡をするなど、今の状況でできることを考えて、実行する。

 重要であるときはアクションを、重要でないときは怒らない、といった判断で気持ちを整理すると、よりよい行動を選べる。


これだけは実践したい怒り上手のコツ
6秒我慢する

 カッとなった時、言い返したいのを6秒間我慢すれば、怒りは徐々にクールダウンし、後悔するような衝動的な言動、行動が抑えられる。6秒間我慢する時の行動を日ごろから決めておくと、こらえる習慣が付く。
〈一例〉
●腹がたった原因を、手の平に指で書く。利き手でない方の指で書くと時間が稼げる。
●自分がリラックスする言葉を、呪文のようにつぶやく。
●好きな歌を頭の中で再生する。

怒るラインを公表する

 機嫌の善し悪しで、怒るラインが変わってしまうと、子どもは何で怒られるのかが分からなくなるため、ぶれないことが大切。そのためにも、「これをこうすると、私は怒るからね」と怒るラインを前もって相手に伝えておくと、互いに心の準備ができて楽。「3回目の違反で怒る」と公表した場合、1、2回目は軽く注意するくらいで済む。

叱る時はアイ(私)メッセージ

 怒りに任せて叱ると、相手を傷つけて後悔することが多い。怒りをクールダウンさせた上で、「私はこう思う」を伝える。例えば、「約束破っちゃだめでしょ」は、子どもの行動を否定する言い方。これを「約束を守ってもらえないからママは悲しい」に変えると、子どもを否定することはない。その後いけない理由を明確に話す。「困っている」「怒っている」とストレートに伝えるのもいい。